南八ヶ岳

西岳(2398m) 権現岳(2715m)
赤岳(2899m) 横岳 (2829m) 
硫黄岳(2760m)
  

年月日 平成20年8月3〜5日
天  候 晴れたり曇ったり
ル− ト 
8月3日 新富観光→富士高原登山口→西岳→青年小屋
8月4日 青年小屋→権現岳→キレット小屋→赤岳→横岳→硫黄岳山荘
8月5日 硫黄岳山荘→硫黄岳→美濃戸口→新富観光

参加者 25名



いつかは訪れてみたい山域は沢山あるけど、八ヶ岳はそのランク上位です。
一般的に言う八つの峰にこだわらず、野辺山高原あたりの散策でも良いのだが、今回は南八ヶ岳縦走と言う垂涎のコース。 体力や仕事の都合も考慮せず急ぎ申込んだ。

8月3日
500 新富観光バスタ−ミナルを定刻に出発。魚津IC5人乗車、今回は計25名の参加者でした。
先週の白山山行に参加した人、会員の百名山完登に相伴してきたばかりの人、前日に立山登山した人等、はしご組が多い。この方々はトレーニングは万全だろう。
体力不足を見透かされたように、役員から翌日の宿泊先を、赤岳鉱泉から硫黄岳山荘に変更するとの説明がある。
二日目の縦走が楽になりそうでホッとする人。残念と嘆いたのは風呂好きの面々。

1010 富士高原登山口(1350m)を予定より1時間余り遅れて、2班に編成を組んで歩き始めた。
調子の整わない間はゆっくり進むのでありがたかったが、徐々にピッチが上がってきた。
1230 遅いランチタイム。最後の林道を横切って30分の(約2100m)登り。
「腹へったゾー」の声に応えて、登山道に長く広がって昼食の弁当を広げた。
1430 最初のピーク西岳(2398m)着。少し手前の樹林帯を抜けたあたりから、チシマギキョウ等が花盛りだ。南西には八ヶ岳最南端の編笠山(2524m)が鎮座して見えた。

           西岳         西岳頂上にて        青年小屋前にて
        チシマギキョウ        ミネウスユキソウ          クルマユリ

1600 青年小屋(2380m)に着いた。5分程手前にあった乙女の水場で、おいしい水を飲み、小屋に入った。
余力のあった、Tさんはそのまま編笠山に向かった。
青年小屋は随分クラシックな小屋だが、
3年前には皇太子殿下もお泊りなったそうだ。
そのせいか小屋の前に、ミニ金色堂の様な有料トイレがあり、勿論平民も利用して良いのだが、恐れ多くて入りそびれた。
夜半に予定していた星座観察は、Oリーダを中心に数人にとどまり、大半は白河夜船。

8月4日
昨夜はぐっすりと眠ったお陰で、すがすがしい朝を迎える。朝焼けに富士山がボンヤリ見えた。
「みなみらんぼう山の詩」には、赤岳から横岳、硫黄岳の尾根は、まるで高山植物の展示場だと書いてある。今日はお花たちに出会うのも楽しみだ。
615 青年小屋出発。県境の稜線(赤岳まで)を歩くのは私の楽しみの一つ。すぐ急登が始まり、ヤセ尾根で谷から急に吹き上げる風は心地よかった。
殿下はきちんと真ん中を歩かれただろうかと勝手な想像をした。
730 権現岳(2715m)着。鎖場を通過する時、体がやけに山側に傾いている事に気付く。
     かすかに見えた富士山           権現岳        赤岳への登り

前はこんな筈ではなかったのに。
山頂は狭くてゆっくり出来ず、早々に進行を開始した。
直下で長い梯子を下る。
61段あったそうだ。
945 尾根鞍部のキレット小屋(2450m)通過。最初のコマクサの群生に出会う。
1130 最高峰の赤岳(2899m)に到着し、皆で揃って記念撮影をした。
       梯子とクサリ         赤岳頂上         こまくさの群生

頂上までの長い岩稜帯の登りは、鎖場、梯子が多く、緊張の連続でした。
気流に乗って現れた鷹に、双眼鏡を当てる余裕も無かった。南峰の岩陰にへばり込みそのまま食事。
一息ついてから漸く赤岳神社に手を合わせる。
一等三角点を撫ぜ、すぐカメラを取出したが、タッチの差で三角点横にどなたかの臀部が来て、シャッターを押せなかった。
360度の展望を楽しむも遠方はモヤっていた。すぐ傍の北峰には赤岳頂上山荘があり、休憩中の登山客も多かった。
1230 北峰より下山開始。ハイマツ帯を抜けて急降下すると、赤岳展望荘があり、風力発電の設備が目にひく。
1300 地蔵の頭(2700m)を通過。
1420 横岳(2829m)着。ピークがいくつか並び、頂上かと思うと又先があり、文字どおり横に長い。水切れになった者もチラホラ。遠雷を機に、ここも早々に撤退した。
途中に又コマクサの大きな群生が現れる。
1510 硫黄岳山荘(2650m)着。入口には「浩宮殿下八ヶ岳御登山」(昭和618)の碑があった。

8月5日
3日目、610 硫黄岳山荘出発。ガスの中、緩やかな最後の登りに、又コマクサの群生が現れる。
中には噂にきく白いコマクサを発見して「おォ--」と皆大感激。
635 硫黄岳(2760m)着。良くガスが掛かるとみえ、広い台地には立派なケルンが並ぶ。
ここで皆揃って集合写真を撮った。
さあ出発と言う時、急に視界が開けて、昨日通過した横岳、赤岳の他、今回のコースから外れた、阿弥陀岳(
2805m)中岳(2700m)の全容が現れる。
       硫黄岳頂上         白いコマクサ      足取りも軽い下山道

勢ぞろいした八ヶ岳主峰をゆっくり観賞する。北側の爆裂火口壁にも覗き込む。
650 下山開始。ザレ場を過ぎて歩きやすい樹林帯に入ると、トップがどんどん先へ行く。
道端に咲く高山の花を、立止まって写真に収め、小走りに追いつく花組に同情する。
今回の山行
案内は、花の山旅かと思うような内容でも、素より縦走主体なので、ゆっくり観察してはおれない。
野鳥観察も同様、声だけでゆっくりと観察する事には期待は出来ない。

高山の代表メボソムシクイは、初日
2000mを越した辺りから通して鳴いていた。数は少ないが、ウグイス、ウソ、ルリビタキ、ビンズイ、稜線でホシガラス、ハシブトガラス、イワヒバリの声も聞く。
820 赤岳鉱泉(2310m)着。ここは当初の宿泊予定地。前日にここまで下るのは難儀だった筈。
1000 美濃戸山荘(1720m)着。付近の珍しい花より、スイカと牛乳に人気が集中。
1120 美濃戸口(1500m)着。先行する1班に、いつの間にか2班も追いつき、一丸となってゴール。皆様の健脚に引っ張られ、「安全で楽しい登山」が出来た事に満足している。
1140 全員迎えのバスに乗り、美濃戸口出発。近くの温泉「もみの湯」に入り、諏訪PAで軽食。来た道と同じく148号線から北陸自動車道経由で富山に向かった。 
1740 3日間の山行の思い出をみやげに無事に富山に帰った。皆様どうもお疲れさまでした。