やく し だけ
薬 師 岳
(2926m)
年月日 令和3年8月7日(土)〜8日(日)
所在地 富山市有峰
参加者 11名
記録者 O・K
宿泊山行 いよいよ30周年記念登山のはじまりである。 今回は薬師岳で、私たちは折立からの一泊班、すでに縦走班は2日前の8月5日、 立山・室堂から出発している。 当初14名の申し込みがあったが、その後、体調不良者等があって最終的には10名となった。 (同じく8月下旬に計画された「30周年記念立山登山」は、コロナ禍のため取りやめとなった。) <1日目> 8月7日(土) 晴れ 折立〜太郎平小屋〜薬師岳山荘 5:50 有峰有料道路亀谷ゲートに参加者全員集合 すでにゲートのオープンを待つ車が30数台ならんでいる。6時、3台の車に分乗して折立に向かう。 この道路も長年の改良工事等でずいぶん良くなった。 7:00 折立に到着 夏山登山シーズン最盛期、薬師岳や奥黒部等をめざす人の車で道路脇の駐車場は満車の状態、 臨時駐車場の案内に沿って進むと、熊の親子3頭が私たちを歓迎してくれる。 ヘリポートやキャンプ場があり、登山者の人込みも多いこの地に熊が出てくるとは! 折立は標高約1350m、今日の目的地の薬師岳山荘は2700m、その差約1350mの登行となる。 手をたずさえ、足をそろえて頑張ろう。 7:20 恒例のラジオ体操をし、2日間の行動開始となる。 昭和38年1月の愛知大学13名の慰霊碑「十三重の塔」に 手を合わせ、今回の登山の無事を祈る。 いきなりの急登で、まだ慣れぬ体に厳しさが 身にしみる。 三角点までは、このような登山道が続く今日一番の 難所だ。 ゆっくりでもよい、1名の脱落者もないよう・・。 「どうぞ、お先に!」の言葉が続く。 9:20 針葉樹林の森がひらけ三角点に到着 みんなの顔にもほっとした笑顔があり、元気をもらって出発。 右手に積雪量調査のための大きなポール(7m?)があり、その眼下には有峰湖が望まれる。 この辺りはニッコウキスゲが黄色のじゅうたんのようになっているところなんだが? 10:00 少し下り、再び樹林帯を登り、間もなく石畳の登山道となるところで、 一人の体調不良者がでる。 寝不足、持病、熱中症・・・・? 持参の薬、漢方薬68、塩分・水分補給の後、しばらく休む。 回復がみられたので、荷重を軽くしてゆっくり歩行開始。 すこし先を行っていた仲間も、心配気味に待っていてくれた。 (以降、この体調不良者は元気を回復した。) 11:30 五光岩手前のベンチで昼食休憩 顔面に数滴の雨粒を感じた。何のしずくだったのだろう! 12:20 五光岩ベンチで休憩 植生保護措置や、石畳・階段の道も大雨のせいかだいぶ崩れていて 補修工事中だが、歩行には問題ない。 太郎兵衛平までは穏やかな広い尾根で、草原散歩の雰囲気となる。 木道に足を入れると小屋は目前だ。 13:15 太郎平小屋で大休憩 でも、今日はここで終わりではない。もうひと踏ん張りなのだ。 峠から目的地の薬師岳山荘まで。
14:10 薬師峠キャンプ地で一息入れる。 小さな沢にそって急登をかせぐ。 沢の上部には雪渓が残っていて、ようやくチングルマの群生も目にする。 右手に登り木道をしばらく行くと薬師平である。 大きなケルンがあり展望も良く、乗鞍、笠、黒部五郎、雲の平、 かすかに槍も望まれる。 足元にはアオノツガザクラ、ハクサンイチゲ、コイワカガミ等々の 高山植物の花々が咲く。 その花々、ケルン、遠くの山の峰々で一幅の絵である。 ここを過ぎると今日の目的地、薬師岳山荘までは間近なのだ。 しかし、急登でもなく、水平でもない登りが続き、 疲れてきた身体と相まって息があがる。 時折見せる高山植物の花々、背部からの涼風 、そして一羽の雷鳥も 元気をくれる。 もう少しだ、頑張らねば! みんなは余裕なのか、自分だけ辛いのか自問自答する。 さらに、西になる後方には雷雲が見え、雷の音も聞こえるようになる。 小屋への広い尾根にでると「小屋はまだか!」と叫びたくなる。 16:30 やっと小屋に到着。仲間と冷えたビールが待っていてくれた。 夕食後、談話室で、縦走班との情報交換や、オリンピックの話に花が咲く。 20:30 就寝 <2日目> 8月8日(日) 晴れ 薬師岳山荘〜薬師岳山頂〜太郎平小屋〜折立 3:15 「頂上登拝組は4時出発」の前日連絡 部屋の蒸し暑さもあり熟睡できなかったが、眠い目をこすりながら起きる。 夜中には星空もあったので、天気は心配ないだろう。 3:50 ヘッドライトをつけ出発 砂礫の急な斜面をジグザグに登る。しばらくして東南尾根との分岐にある避難小屋跡に到着。 ここからは、なだらかになった登山道を進むと間もなく薬師岳山頂だ。 山頂には立派な祠があり、「薬師瑠璃光如来像」が祀られている。 立山方面の東面からはご来光が望められるのだが、あいにく山峰に雲がかかり陽光は望めない。 しかし、山頂からの展望は素晴らしく、眼をうばわれる。 記念写真をとり朝食の待つ薬師岳山荘に一路下る。 7:00 山荘のご夫婦の見送りをうけて下山開始 やはり下りは楽だ。しかし油断は禁物!アクシデントは下りに多い。慎重に歩を進める。 薬師平雪渓下部、薬師峠キャンプ地で休憩。 9:10 太郎平小屋で縦走班も含め、全員が大休憩 コーヒーがおいしい。オーナーの五十嶋さんにお願いして、全体の集合写真を撮ってもらう。
10:40 五光岩ベンチ到着 12:25 三角点まで下りてきた。つい先ほど足跡を残してきた薬師岳に別れをつげる。 これからの急な下りには十分注意することを、最後の頑張りとする。 14:20 「十三重の塔」に無事下山できたことのお礼をして、折立に到着する。 15:20 亀谷ゲート到着 亀谷温泉、白樺ハイツに入浴して解散。 無事に30周年記念薬師岳登山(一泊二日)を終えられてホッとした。 記念登山であること、いきなり2700mの高地への長時間歩行であること、 よってみんなの足がついていけるか、天候はどうか等など心配事ばかりであったが、 終わってみればそれは無用であったようだ。 10名みんなの頑張りと、「高志山の会」30年の歴史が支えてくれたようだ。 この意義ある登山を糧に、さらに前進しましょう。 |