奥大日岳
 (2,611m)

年月日 平成28年9月11日(日)
天  候 曇り
ル− ト 立山駅〜ケーブル〜美女平〜室堂〜雷鳥平〜新室堂乗越〜奥大日岳
参加者 19名
記録者 S






6:30 立山駅に集合し、当日の始発7時のケーブルに乗り高原バスで8時5分に室堂に着く。

8:20 担当役員の挨拶。雷鳥平に向けて出発。今日は雄山峰本社までも良く見える。

8:50 雷鳥荘の横の広場で5分間の休憩をする。私は「疲れを軽減させ後半も途切れないエネルギーを与えるという」アミノバイタルをいつものように飲む。
地獄谷からのガスが大変臭く、また周辺のハイマツが全て枯れている景色を見るのが実に忍びがたい。

9:12 整備された急な下り階段が、多くある遊歩道を進み、雷鳥平キャンプ場のT字路を直角に曲がった。すぐに浄土沢にかかる橋を渡って川沿いに100mほど行くと上に向けて【剣御前】横に向けてと【奥大日方面】と書かれた小さな木板が、設置されていた。この劔御前小舎の建つ別山乗越への道との分岐点を河原に沿って50mほど進み、右手に高低差20mほどの斜面を登る。

9:20 平らな草原台地に出る。ここで休憩をする。1班のMさんの声が聞こえてくる。『これはクロマメノキではなくてクロウスコ』また風が少し出てきて前より少し寒く感じるようになると『風速1mで体感温度は1度下がる。』とMさん。体の冷えは運動能力を低下させバテやケガにつながる。皆一枚重ね着をして体温調節を行う。なお高度100m上がると気温0.6度下がるので高度2500mでは、15度低いことになる。

9:50 夏の最盛期ではイワイチョウ、チングルマ、ハクサンイチゲ等の花でたいそう美しいと想像される草原台地を緩やかに登り劔御前小舎からくる縦走路に出合う新室堂乗越だ。
分岐点から50mほど行きやや広い場所で休憩を取る。
雷鳥沢ヒュッテなどの山小屋、上は浄土山、雄山、遠くは笠ケ岳まではっきり見える。なお登山道は、ほとんど稜線から少し下の称名川側に造ってあるので劔が観れるポイントは少ない。

10:08 室堂乗越に着く。早月尾根が頂上までせりあがる劔が見える。剣御前山からの尾根が斜めに邪魔をしているので劔全体の五分の一だ。
『かつて地獄谷で採集した硫黄を馬場島へと運んだ歴史を持つ峠である。今は馬場島への道も室堂への道も共に廃道となり峠の名を残すのみである。』(ヤマケイ、アルペンルートガイドQ立山、剣、白馬 2004年4月版)と本に書いてあったことを私は周りのメンバーに話す。
かつて立山川に沿って造られていた道があった谷が早月尾根の起点に向かってゆるく左にカーブしていく景色をみて『昔の人は偉かったねぇ』と話す。さらに下の方に目をやる。

10:47 室堂乗越から称名川側を進んだ道は劔が三分の二見える稜線に出る。休憩中に多くのメンバーはカメラや携帯電話などで写真を撮る

11:07 また称名川側を歩きこれから急坂となるので休憩をとる。
私はいつものようにアンパンを食べお茶を飲む。班リーダーから『登山の休憩は3分から5分のものです。』と声がかかる。眼下には称名川の恐ろしいほどのキレコミと広々とした弥陀ヶ原が望める。

11:38 少しだけ岩場のある急坂を登りつめると稜線に出る。ここから頂上までの勾配は殆どなし。私たちが向かっていく頂上よりも右手(東方向)のピークが高く見える。下からそびえたつ剱岳の姿が素晴らしい。また東大谷へ落ち込む鋭い岩稜が手に取るように眺められる。

11:38 奥大日岳頂上に到着。先ほどまで見えていた剱岳は白いガスで全く見えなくなってしまった。みなで昼食をとる。色々と食べ物が廻ってくる。食後、地形図を出して三角点のある奥大日岳は標高2605.9m。例の東のピークが標高2611mであることを皆で確認しあった。

12:25 写真撮影をし、下山開始。登ってきた道を戻る。

13:39 室堂乗越に戻る。
ここまでに『岩間にツガザクラやそれより美しいアオノツガザクラが咲いている。』と私の後を歩く2班のサブリーダーのYさんからいろいろレクチャーを受ける。
前を行く女性メンバーは、ストックも使わずスイスイと道を下っていく。私は下りが苦手なので彼女の姿が見えないほど距離が開く。

14:28 雷鳥平キャンプ場T字路のベンチで休憩となる。
野営場管理所のトイレに行くメンバーもいる。雷鳥沢ヒュッテの横から雷鳥荘までは、胸を突くほどの急な階段と登り坂だ。それに備えて各自は、エネルギー補充の為に行動食をとる。私は、ドライフルーツをパン生地でサンドしたグリコの【毎日果実】を食べていると『それ食べてみたい。これとカイコトしよう。』と会報担当の女性あり。コーヒ味のゼリー菓子とのカイコトし食べる。大変おいしかった。

15:18 2班の後方メンバーは『みくりが池温泉のソフトクリームを食べたい。』『おわら風の盆がどうした。こうした。』などと話しながら難所を乗り越えエンマ台に着き、休憩となった。

15:38 私は室堂に無事に帰ってきた。ターミナル屋上でミーティング。GCLのSさんより『名札をつけていないメンバーが多い。名前を覚えることで親睦が深まり、それが楽しくて安全な登山につながる。これからは名札をつけるようにお願いします。』と話あり。16:15発の高原バスに乗車。

17:00 ケーブルに乗り立山駅で解散。

追記
 Kさんら大先輩方から『連れて行ってもらうのでなく、自立した登山者になれ。』と指導を受ける。私は思うのだが、具体的には目的の山が記載されているガイドブックなどの書物をよく読むことが、第一歩である。
 そのとき地図を横に置いて国土地理院の地形図が最も良いのだが、なければ東西南北、ある程度高低がわかる地図でなら良い。これにより目的の山への道がどうなっているのか理解、想像できる。行き先がどうなっているわからないことは不安につながる。それがあせりを生み「道迷い、転倒」につながる。
 また本には、コースタイムが記入されているので、行程時間が事前に把握できる。重要なのは頂上への到着時間ではなく、帰り着く終了時間である。
 『登山不適格者』 岩崎元朗 NHK出版 2003年6月発行に次のようにある。
 所要時間= コースタイム*1.2倍 + 30分の昼休み
 なお今回の山行にあたって『富山とっておきの33山』 渋谷茂著
 監修 高志山の会  2000年9月発行 北国新聞社が私にとって一番参考になりました。ありがとうございました。 以上