唐松岳・五龍岳
(2695.9m・2814.3m)

年月日 平成28年 9月17日(土)〜19日(月)
天  候 1 日目 晴のち曇り 2.3日目 雨
ル− ト 
参加者 14名
記録者 N・M K・T






<1日目:9月17日(土) 晴のち曇り>

5:25 新富観光バスセンターを出発。

5:55 魚津ICで2名乗車、全員14名が揃う。
GCLのTさんからの挨拶「今回は通常山行と違い研修が主になり、1日目は全員がリーダーを経験し安全にリードしてもらう事。順番に先頭を歩き、適切な場所を探して30分間隔で休憩を取ってもらいます。2日目は天候を見ながら予定を決めます。定例山行に参加者をリードできるようにしっかり研修してください。」と説明がある。

7:05 小谷道の駅でトイレ休憩。

7:45 八方ゴンドラ駅に着く。バスの後部座席がザック置き場になり、バケツリレーのように運びだす。
みんなで重量チェック、特に重いのはだれのかな? ザックを背負い出発準備。

8:05 ゴンドラに乗り、うさぎ平でチェアリフトに乗り継ぐ。
ちょっと肌寒いが爽快な気分。前方には八方尾根、左手には遠見尾根が見える。

八方池山荘で研修の心構え
8:25 標高1830m八方池山荘で降りる。白馬三山、東の山並みが雄大です。魅とれながらの出発準備。O会長より「今回は一般山行でなく目的山行です。トランシーバーの使い方、休憩のとり方等実践します。班の先頭は後方7〜8割に目を向け役員のつもりで行動してほしい。メンバーは高年齢中心になってきている。頭を使い、慌てず常に意識を持ちながら楽しんでほしい。」と挨拶がある。

8:55 唐松岳に向け出発。5分程歩いた広い場所で準備体操をして体をほぐす。整備された道を行く。ウメバチソウ、マツムシソウが秋風にゆれて出迎えてくれる。

9:30 休憩。山肌は深く鮮やかな青とグリーン。とにかく素晴らしい。白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳、雄大な姿を魅せてくれています。先頭を歩くリーダーは先を急ぎたくなる気持ちを抑えながらのペース配分。班に3台づつ用意されたトランシーバーも即実践、使い慣れたのか交信も絶え間なくにぎやかです。先頭リーダーも順番に交代、みんな意欲的です。

9:55 第2ケルン通過。やはり白馬三山はどこから見ても雄大。八方ケルンで休憩。不帰ノ険、唐松岳、鹿島槍ヶ岳、五龍岳も一望 できます。

10:20 八方池が見え分岐です。1班は迷わず八方池方面へ下る。池の前では皆で足を上げカメラポーズ、仕上がりが楽しみ。2班は尾根の上部から手を振ってくれている。

八方池ケルン、ゆるキャラが可愛い 八方池から地獄の頭、不帰の剣を望む
10:40 尾根に登り2班と合流。やがて樹林帯に入りダケカンバ林が続く。息を整え立ち休憩。一際鮮やかな赤色のハクサンタイゲキ。

11:50 ハイマツ帯に入る。前方には丸山が見え、脇にはチングルマの群生。

12:05 丸山で40分間の昼食タイムをとる。広い台地、ここからの展望もすばらしい。

13:40 赤い屋根の唐松岳頂上山荘に着く。今晩の泊まりは本館の左手にある北館。入口玄関にザックを預け唐松岳への準備をする。雲行きが怪しいので雨具の装備も忘れずに。

13:55 唐松岳へ出発。暫くすると雨がパラついてくる。

14:15 頂上に着く。ガスがかかり残念ながら視界が悪い。集合写真を撮り下山開始。ハイマツの中に2羽のライチョウを発見。

丸山ケルンと白馬三山 唐松岳頂上にて 五竜岳を背に


14:35 山荘の北館に戻る。濡れた雨具は乾燥室へ。玄関に預けたザックを持って部屋に入り荷物の整理をする。外は本降り、食堂や売店は本館にあるため雨具を着ての移動。

15:00 本館食堂にて懇親会、全員で乾杯、一日お疲れ様でした。

17:00 夕食。今日の疲れを癒し早めの就寝。

<2日目:9月18日(日) 雨>

5:00 起床、身支度。外は残念ですが雨。

6:00 朝食、出発準備をする。

牛首を通過
7:25 雨具を身に着ける。リーダーから今日の岩場の注意点を聞きストックはザックにしまう。2班が先頭になり五竜山荘へ向け出発。いよいよ足下に気を配りながら三点確保し、第一の鎖場・第二の鎖場を慎重に通過する。あまり鎖に頼らず岩を掴むように。

8:50 ライチョウ2羽を発見する。

9:50 看板「唐松岳・五龍岳」を通過。

10:25 五竜山荘に2班が先に着く、1班は20分後小屋に入りびしょ濡れの雨具を脱ぐ。早めの昼食をとることになり、皆で温かいキノコうどんを注文し身体も心も暖かに。
外はまだ雨が降り続いているが、予定コースの五龍岳へは行のかなぁ。とにかくTリーダーの判断を待つことに。部屋に全員集合してミーティングが始まる。

13:00 Tリーダーが「五龍岳行きは断念します。この後の天候は前線が近づき、明日も雨。難所が2ヶ所ありとても危険です。ここを楽しみにしていた人が大半だが機会があれば次回にチャレンジしてほしい」

この後、O会長を中心とした研修会。

研修内容
 ◎装備について
   雨具、ザック、登山靴等の使用後のお手入れやザックの収納方法
   ストック収納の仕方、ザックカバーの付け方
 ◎歩き方(雨天時の歩き方)
   ・班と班の間隔  ・すれ違い時は登り優先だがケースバイケース
   ・ゆっくり歩き身体に負担をかけない   ・水分補給と立ち休憩
   ・リーダーの注意事項等は後ろまで伝える。
 ◎岩場での鎖の使い方
   ・鎖はあくまで補助で足で登る
   ・支点と支点は一人、三点確保
 ◎トランシーバーの使い方
   ・お互いの情報伝達は多い方が良い。意志の疎通が大事

以上質疑応答の中、活発な意見が交わされました。天候には恵まれなったが雨天ならではの貴重な研修でした。

17:30 夕食。濡れた雨具、靴、ザック等乾燥室で乾かす。ストーブが本当に有難い。明日のために整ったところで就寝。

<3日目:9月19日(月、祝) 雨>

4:20 起床。

5:00 朝食。今日もGCLのTさんの予報通り雨のようです。昨日濡れた衣類などをザックに詰め準備をする。3日目は五竜山荘から遠見尾根を歩いて白馬五竜スキー場のアルプス平までの行程です。

5:45 山荘の玄関で湿った靴に足を通す。O会長の声で忘れずにトランシーバーを所持したか、電源が入っているかを確認する。

五龍山荘前にて
6:00 雨がしきりに降る玄関の軒先に集まり集合写真を撮る。山荘の方から「小屋から出てまもなく鎖場に出ますのでストックを使わずに下りた方がいいです。」とアドバイスを頂いた。それに従いザックのサイドにしまう。

6:15 準備が整い出発する。1班を先頭に昨日来た道を白岳まで少し戻り遠見尾根へ分岐地点を右に下りる。本日2班は、Tさん先頭にIさん、Tと列を作る。昨日と交代です。

研修項目《全員が、GCL、GSLの立場で行動する》課題の一つです。

6:25 鎖場に出る。【足元注意。岩場。よそ見せずに歩け】の看板をそれぞれ読み上げて自分に言い聞かせる。雨の中、極めて滑りやすく足場を一歩一歩確認しながら慎重に下りる。

7:15 4ケ所の鎖場を無事に通過しほっと一息。ここでTさんが、パイナップルを皆に振舞ってくださった。雨の中だからこそ尚のこと旨かったです。いつもありがとうございます!!

7:35 最後の鎖場の手前で、GCLのTさんがストックを使って岩場を下る方法を説明する。『鎖に頼らずとも足場となる場所が必ずあるのでそこにストックをつけば楽に下れます』と実践してみせる。私はなぜかスキーの瘤を超えるときの膝の動きとストックの動きを見ているようだと思った。鮮やかなシュプールの残像が残る。

8:15 『原則として団体は班と班の間50m位を空けて歩くように』昨日までGCLや会長から言われていたが『本日は3連休の最終日であり雨の中、下から登山者が上がってくることは少ないと判断して前との間をつめて歩いてもいいのでは』と会長がアドバイスする。先頭を歩いていたTさんはこれに従う。要は状況に応じた判断で行動することが原則より勝る。

大遠見にて 中遠見にて
8:30 大遠見 標高約2100mに到着。【テレキャビン乗り場まで5q、2.5時間】と看板がある。

8:45 灌木林をさらに下りる。木段が所どころにある。道沿いのでかいダケカンバに目を奪われる。多雪の中に曲がりくねりながらも伸びる強く生きる木々の生命力!!

9:10 中遠見 約2010mに到着。立派なケルンあり、個人の慰霊塔です。ご冥福をお祈りします。眺望無し。まだ雨が降り続く。

9:20 植生が変わる。オオカメノキやナナカマドの赤い実、シラタマノキの白い実、クロマメノキ(黒臼子かも?)が黒い実をつけている。足元にはリンドウが咲いている。

9:30 新道を歩いてきたせいか小遠見山を通らずに来たようです。【五龍登山口 これより登山装備で登るよう】の看板あり

10:00 階段状に整備された坂を下る。二の背髪を通過

10:15 一の背髪を通過

10:35 【見返り坂】とある。下から登ってきた者がアルプス平方面を振り返る坂らしい。さぞかし見晴らしがいいのでしょう。

地獄の頭
10:45 地蔵の池を横に見ながら広々とした場所に出る。【地蔵の頭】1673m、墓石群と地蔵さまとケルンが祀られています。

10:55 少し下りるとリフトが動いています。1班の誰かが『これ以上歩けない!』と駄々をこねてみせ乗り場に貼りついていた。会長の歩けの一喝!でシブシブとゴンドラ乗り場へ足を運ぶ。足元に高山植物の説明看板があり【五竜アルプス山野草園】のエリアに入る。花を楽しみならゴンドラの建屋へと。

11:08 アルプス平駅に到着。各班で点呼。

11:35 全員、ゴンドラで遠見駅に到着。雨は小雨に代わりようやく止む。

11:55 濡れた雨具や登山靴を脱ぎバスに乗車。

12:05 八方の湯で入浴。各自昼食タイム。のんびりゆったり。

13:55 バス車中にて今回の役員宿泊研修会を振り返る。参加者一人ひとり感想を話しました。


GCLのTさん 「どのような研修意識を持つかで研修の成果が違う。」

1日目:トランシーバーの使い方、先頭の歩き方、歩行速度、ペース配分、休憩のとり方や場所、班と班の間隔、班のまとめ方、気配り、メンバーへの声掛けなどに重点を置きました。

2日目:唐松山荘からの牛首の鎖場を雨の中歩いた。安全第一。足場を確保して三点支持することや鎖を掴むことで登り下りができたと思う。しかし雨の中五龍岳の鎖場を歩く登山は中止しましたが、またの機会があれば・・・。

3日目:今日の鎖場では、段差のある個所をストックの足場を見つけることで楽な下山ができること。皆さん是非チャレンジしてみてください。ストックで確実な足場を見つけその近くに足を運ぶ。体重をストックに分散させることで膝への負担や体力の消耗を軽減できます。ストックは登山の頼れる道具です。

今後の研修項目としては、雪洞でのツエルットの使い方やビバークの方法なども考えている。
最後に皆さんに『そろそろ年齢や体力の限界かなぁ』という声がありましたが、用品や靴を買い替えることでそれを使い楽しもうという前向きな気持ちで立派な先輩を目標にして頑張りましょう。

O会長 今回、技術委員のTさんが一人で担当されました。その人柄とおり実直で綿密な計画と判断のもとで行われました。実にすばらしい。またSさんの行く先々での段取りや支払いなどそのご苦労に感謝します。
登山は装備、体力、天候に恵まれていい登山でしたとなる。しかし今回2日、3日目と雨の中を歩くことは役員の研修としては非常に良かったのでは。課題として雨具の手入れの必要性など実感した方も多かったでしょう。今後に多いに生かしてください。
また先頭に立つ人は、足場を後続の人が同じ位置に立てるところを歩くのが理想です。

Fさん 4月に入会して間もないので、五龍岳に行きたい想いで参加。登山を始めて間もないので皆さんの話が全て新鮮で楽しかった。これからも色々教えて欲しい。
等々のご意見がありました。

2泊3日の研修でしたが、よき指導者のもと適宜なアドバイスをしていただきました。
参加者全員が心をついで、無事にほぼ目標を達成できたかと思います。
それから山荘での和気あいあいの楽しい時間もよかったですね。
あいにく五龍岳山頂へは登頂できませんでしたが、それぞれ今度こそは万難を廃して登るぞ!の意気込みも感じました。

14:20 小谷道の駅でトイレ休憩など

15:56 魚津ICに到着。やはり雨です。Oさん、Cさん下車

16:20 新富観光バスセンターに到着、解散。皆さんお疲れ様でした。

お世話していただいた担当者さん、お世話になりました。お陰で実りある研修山行になり本当に有難うございました。