甲斐駒ヶ岳
  
2966m)
  〜仙丈ヶ岳

       
(3033m)

年月日 平成22年8月8日(日)〜8月10日(火)
天  候 8日(晴れ) 9日(雨) 10日(晴れのち雨)
ル− ト 
8月8日 新富観光→伊那IC→戸台谷→北沢峠→北沢駒仙小屋
8月9日 北沢長衛小屋→仙水峠→駒津峰→甲斐駒ヶ岳→駒津峰
      →双児山→北沢駒仙小屋
8月10日 北沢駒仙小屋→馬の背ヒュッテ→仙丈ヶ岳→小仙丈ヶ岳
      →大滝の頭5合目→北沢駒仙小屋→仙流荘→伊那IC
      →新富観光

参加者  26名




今回の山行はテント泊か小屋泊かのどちらかを選択することが出来、参加者は26名(テント泊11名、
小屋泊15名)となった。

1日目 88日(日) 晴れ
7時に新富観光バスセンタ−から22名が乗車して出発する。Oさんが見送りに来て下さった。
途中の魚津ICで4名乗車して26名全員揃った。
途中では名立谷浜SA、みどり湖PAで休憩し、伊那ICで降りて11時30分には戸台口に到着した。ここで昼食をとった後、ここからは南アルプス林道バスの北沢峠行きに乗り換えた。
林道バスは小型なので、先ずは、テント組の11名が出発し、続いて小屋泊組の15名が出発した。 
運転手さんの楽しいガイドで曲がりくねった細い林道を進んで行く。 はるか下には戸台川が流れ、行く手には鋸山、仙丈ヶ岳が聳えていた。 バスの直前を2頭のシカが横切り山の方に駆け上がって行った。
13時20分には北沢峠バス停に到着した。 ここから歩いて13時30分には北沢駒仙小屋に到着(旧北沢長衛小屋)した。

戸田口(林道バスに乗り換え) バスの車窓から 北沢駒仙小屋


[小屋泊組]
小屋は小じんまりとした2階建てですぐ近くにキャンプ指定地があった。 
小屋の前にはヤナギランが一杯咲いていた。
小屋では我々全員は一階の大部屋で、他の泊まり客が2〜3人と一緒になった。 着替えや荷物の整理をしてから外にあるテ−ブルに集まり先ずはビ−ルで乾杯となった。

小屋前のヤナギラン キャンプ場 夕食準備


[テント組]
13時10分にテント場に着いたが、すでに満員。帰る方達の空きを待って、何とか5張り分を確保しテント張りを開始した。
テント張りはTリーダ−をはじめ経験者の指導の下、小1時間かかった。4張りのテント(1張りは荷物)に別れ、荷物を入れて就寝の準備をした。
15時からはバーベキューが始まった。ビールはネットに入れて川で冷やし。牛肉、豚肉、ソーセージ、ホタテ、キャベツ、ナス、ピーマン、エリンギ)を調理し焼き肉、焼きそばを作った。
早速冷えたビールで乾杯。途中から小屋泊組の人たちも加わ
って楽しい宴会となった。
Tリーダ−から「明日は甲斐駒ヶ岳に登ります。 4に出発します。 砂礫の滑りやすい斜面では特に注意をするようにしてください。」と言う話しがあった。
  
(いよいよ明日は、あの雪のように白く輝く山の頂きへ!)
[小屋泊組]
小屋泊組では17時に夕食。 明日は早立ちなので、小屋の方にお願いして、今夜の内に明日の朝食(おにぎり)、昼食(パン)とお茶とお湯とを用意してもらった。

19時には消灯。 
明日の甲斐駒ヶ岳登山に備えて、消灯と同時に皆、靜かになり眠りについた。 夜半からは雨音が聞こえていた。


2日目 8月9日(月) 雨
3時30分に 起床。 雨音がする。 朝食をすませ、雨に備えて、スパッツ、雨具の上下をつけて準備を整えたが、降り続くこの雨では出発が心配だ。
役員の方が話し合って、明るくなる迄しばらく様子を見ようとのことで、雨具を着けたままで待機する事になった。
その結果、「今日の甲斐駒ヶ岳は取りやめて、明日に予定していた仙丈ヶ岳へと変更します。」とのことで6時出発となった。 5時45分にテント場へ全員集合して、ストレッチ体操をし、Tリーダ−を先頭に1・2・3班の順で出発した。
6時20分、北沢峠バス停前にある仙丈ヶ岳登山口から樹林の中に入ったが、すぐに急登が始まった。 
樹林の中なのか、雨はあまりひどくは感じなかった。

ゆっくり、ゆっくりと歩いた。
6時40分には1合目着。7時には2合目着、道は更に急登になった。
7時20分には3合目着。此処からは岩道の急登になる。7時45分に4合目着。雨が止んだので雨具を脱ぐ。8時5分には5合目着。 大滝の頭にて休憩をした。 右に行く道は藪沢小屋から馬の背ヒュッテに至る道である。 また急登が続いた。 やがて森林限界となりダケカンバの森からハイマツ帯に出た。

北沢峠への登り 大滝の頭で休憩 小仙丈ヶ岳からの下り


小仙丈ヶ岳には9時5分に着いた。 ここからは稜線歩きとなる。 南アルプスの山々が雲海のかなたに目えてすばらしくきれいだった。 ガスの切れ間からは明日登る甲斐駒ヶ岳も見えた!
10時30分に仙丈小屋への分岐点に付いたが、雨が降りだしたのでここで雨具を着けた。10時55分には仙丈ヶ岳頂上に到着した。 頂上はガスっていて何も見えない。 少し残念ではあるが、無事に頂上に立ったと言うことだけで嬉しかった。
記念写真を撮った後、11時10分には下山を開始した。

雲海と南アルプス 小仙丈ヶ岳より見た甲斐駒ヶ岳 仙丈ヶ岳頂上

ガスの中で周囲の様子がわからず、リ−ダ−が仙丈小屋へ降りる道を慎重に探していたが、少し下った所に案内板があった。 11時25分には仙丈小屋に到着した すでに2班、3班が到着しており、ここで全員が揃う。外は雨が降っているので小屋の中の休憩室で昼食を取った。
12時05分に出発したが、外は相変わらず雨が降っていた。 ハイマツの中を下ってゆくと、ナナカマドが多く、秋の紅葉時にはさぞかし綺麗な事だろうと思った。
12時40分には馬の背ヒュッテに着いた。 このあたりは、大きなダケカンバの林である。 そこから下ってゆくと、マルバダケブキの群生が現れた。 雨に洗われた黄色い花々が本当に綺麗だった。
このあたりには、ニホンカモシカから高山植物の食害を防ぐため防護策が設置されていた。
13時には藪坂小屋に着いた。 大滝の頭(5合目)へ出て、14時25分には2合目の分岐点に着いた。 
ここで全員集合して班毎に下り。 15時には
北沢駒仙小屋に到着した。

昼食を取った仙丈小屋 マルバダケブキの群生 北沢駒仙小屋泊の人達


[小屋泊組]
濡れた雨具等をハンガ−にかけたり、着替えをしたりする。 夕食までには、まだ時間があるので、ビ−ルを飲む人、ストレッチをする人、それぞれがくつろいだ時間を過ごした。
[テント組]
全員仙丈ヶ岳より無事下山した後、雨の中早々に夕食の準備をした。
今夜はカレーライスだ。
アルファ米を温め野菜サラダも付ける。(レ
タス、トマト等)昨日の残りの焼きそばも美味しかった。 18時には後片づけ。翌日の朝、昼のおにぎりも作る。
[小屋泊組]
17時には夕食。
「さぁ〜明日は甲斐駒ヶ岳に登りましょう! 4時に出発です。」と言う事で今夜も小屋の方で、明日の朝食、昼食、お茶、お湯を今夜の内に用意してもらった。 19時には消灯。 
雨はまだ降っているが、 明日の天候の回復を祈りながら寝る事にした。

3日目  8月10日  晴 午後から雨
前日は夜半過ぎまで雨で、朝まで降っていればテント組の山行は中止し、晴れゝば全員で決行。 という事で朝を迎えたが。暗いが星空が見えた。 今日は晴れそうだ!
3時55分、まだ暗い中、ヘッドランプ、スパッツ、雨具等を装着し小屋泊、テント組が合流して北沢駒仙小屋を出発した。
登山道を振り返ると、ヘッドランプの光が左右に揺れて蛍の群れの
ようであった。暗い中をヘッドランプの明かりを頼りに沢や丸太橋を渡り、いくつかの堰堤を登下降した。 最後に急坂をひと登りして仙水小屋に到着したが、休憩後ここからはヘッドランプを外して出発した。
しば
らく樹林の中の快適な道を進んだが、じきにゴロゴロの岩石の積み重なった斜面を越えて行く。
5時30分には仙水峠に着いた。
黒々とした岩石帯から解放され峠につくと、雲上に朝日
が昇り一気に明るくなってきた。 前方にはドームのような摩利支天が高々と聳えているのが見える。昨日登った仙丈ヶ岳、アサヨ峰や他の山々が光っている。 すばらしい眺めだ。
7時に休憩を取った。先ほどの山々の遥か奥には富士山が見えた。さすが日本一の山。
駒津峰を目指すがカラマツやハイマツ帯の下草についた朝露がダイヤモンドをちりばめたように輝いていてとてもきれいだった。 7時10分には駒津峰に到着した。 時折かかるガスの中に薄っすらと甲斐駒ヶ岳の姿が見える。その左手には荒々しい姿の鋸岳も見えた。 
「いざ、頂上へ」と歩みを進める。
8時40分に六方石に到着。駒津峰から六方石までは下りの岩尾根歩きとなる。 ここからは岩稜を直接登るコースと摩利支天分岐を通る花崗岩の砂礫に覆われたコースに分かれる。 我々は後者のコースを取ったが、滑らないように注意しながら進んだ。 
ザクザ
クの砂礫の道の足元には草木が一本も生えていない花崗岩のツルッとした山肌の急斜面が広がり、コケたら大変だ。注意して進んだ。 
9時25分には念願の頂上に到着した。頑張った甲斐があった。“万歳!” 晴れていれば、南アルプス随一の絶景が見れたのに・・・残念。 しかし10時までに登頂出来ない時は途中で引き返す事にしていたが、役員の方々の上手なリードと参加者全員の気力で目標が達成出来て、本当にうれしかった。

仙水峠から見た駒ヶ岳 駒ヶ岳頂上にて 女性達、全員揃って決まってるね!


三角点にも触れ、昼食タイムで満腹、満足した後、記念撮影を撮り9時50分には下山を開始した。
花崗岩の砂礫は登りよりも滑りやすく、靴底をしっかりつけ危な
い所は三点確保しながら歩いた。   下りの休憩の時に、振り返ると白く格調高いピラミッドのような姿の甲斐駒ヶ岳がくっきりと見えている。
「ありがとう。登れてよかった」と感謝する。
11時27分には駒津峰にて休憩。12時30分には仙水峠に到着した。 
雨が降り始め、雨具を着けた。 辺りには可憐な花が咲いていたがガ
スが出て来たので急いで降りる。
今朝の登りの時は薄暗くて道しるべがよく
分からなかったが、石積みのケルンが幾つもあった。
13時15分には
仙水小屋に到着した。 小屋のご主人の了解を得て湧き出でいる水で各自喉を潤した。冷たくておいしく、元気が出た。 さあ もうひと頑張りだ。

振り返って見た甲斐駒ヶ岳 甲斐駒ヶ岳からの下り 無事北沢仙水小屋に到着


13時35分、全員無事北沢駒仙小屋に到着した。 小屋まであと10分程の所で急に雨足が強くなり、全員ずぶ濡れになった。 しかし 台風が近づいていることを思えば午前中の晴れ間は天の恵みと思わずにはおれない。
テント組の人はテントの解体。 荷物の整理およびバス停まで運搬した。 北沢峠バス停まで10分、大降りの雨の中テントも重く難儀した。
14時45分、ようやく伊那市営南アルプス林道バスに乗りホッとした。来るときはバス2台に分乗し余裕があったが、帰りは1台に詰め込まれたので大変であった。
新富観光のバスは15時50分に仙流荘に到着した。バスにしばらく待ってもらって仙流荘にて入浴をした。登山の後の入浴は格別だ!
17時15分に仙流荘を出発し、18時35分に高速道姥捨SAにて休憩と食事。21時35分に魚津ICで4名降車。
22時05分に新富バスセンター到着した。お疲れさまでした。
    
雨のため 2日目と3日目の山行の予定が入れ替わったが、何とか二峰
とも登頂出来、全員が全行程を終えられた事にもたいへん良かった山行でした。 雨の中のダケカンバ、マルバダケブキもきれいでした。
今回の登山では、テント泊の雨に遇ったときの大変さはもちろん、基本的なテント張りや食材の準備など
多くのことを学びました。
担当された役員の方々には大変にお世話になり、ありがとうございました。